ぶらり一人旅  金田一耕助編

ふるさと公園 写真3枚
ふるさと館内には岡田藩関係、横溝正史関係の展示がされています。
周囲は緑陰であり、大池、弁天島もすぐ近くです。
私はこちらの出身ですが、ながく離れているので、旅人のふりをして出会う人にあれこれ尋ねてみると、親切すぎるほどの丁寧さで話してくれました。

真備ふるさと公園1 真備ふるさと公園2真備ふるさと公園3


昔懐かしい足こぎの水車です。これを漕いで田圃に水を入れた覚えがあります。時間が止まりそうです。

真備ふるさと公園水車1  真備ふるさと公園水車2

東薗神社。辻田から岡田に行く途中の山すそにあります。現在はどうなっているかわかりませんが、子供時分には奥の舞台で備中神楽の奉納舞が毎年、夜を徹して行われていました。踊り、掛け声とも迫力満点で、子供は朝まで見ることはできません。神社近辺は燈明のあかりと人の往来でにぎやかですが、子供たちだけで帰る夜道は闇だらけです。

東薗神社


これら自転車巡りの所要時間は土地勘のない旅人でも二時間もあれば十分でしょう。
次は県道を西に向かって自転車で二十分ほど、奈良時代の遣唐使・右大臣、囲碁や天文・兵学・陰陽道など多くの知識をわが国に持ち帰ったといわれる吉備真備の里です。
ここで約一時間過ごします。
帰りは井原線沿いに東に向かっていると思いがけない発見がありました。

次は、「ぶらり一人旅 吉備真備編」です。   ぶらり一人旅top  サイトmaintop
岡田大池。この池で乾燥すると鬼の面に見える菱の実をよく拾ったものです。

岡田大池

上の写真の大池に突き出た弁天島。岡田小学校の裏手にあった大池も弁天島も60年ほど前の小学生時代に見た風景とまったく変わっていません。古びたお堂は40年ほど前に建て替えたそうですが・・。

弁天島

横溝正史疎開先

横溝正史疎開宅。中に入ると受付の人がおり、訪問記帳できます。名前住所から、意外な人物の名前を見つけるかもしれません。入館無料です。


作品中の濃茶の祠。奥が疎開先
このあたりは幸いに住宅地になっていないのでのどかです。この道の左手に進むと大池です。

濃茶の祠

このあたりに高い山はなく、山すそに集落があり、通りの市道とは別の生活道路をのんびり走れるのが自転車の良いところです。
艮御崎神社。この先の県道を越えると、岡田に向かう一本道があります。

艮御崎神社

宝篋印塔。地図には載っていませんが方角的には県道を越えて田園の中にあります。

宝篋印塔
旧山陽道右側にあります。

脇本陣跡
川辺橋
橋を渡って振り返った写真です。向こうの山は源平福山合戦の福山城跡です。
橋は新旧二本かかっており、画面右手の歩行者自転車専用を渡ります。往時はこの橋しかかかってなく、バス・トラックが走って来るとその揺れと風圧で川に落ちそうになったものです。

駅前のレンタル自転車を借りて出発。車道の左側の歩行者・自転車用の道を道なりに土手を上ると高梁川にかかる川辺橋を渡り、眼下に広がるのが金田一耕助が行き来した江戸時代の備中岡田伊東藩1万石のとりあえず現在の風景です。橋詰から左に旧山陽道を進むと備中川辺宿の脇本陣跡があります。その先を右手に艮御崎神社があります。裏手の北方向遠くの田園の中に鎌倉時代作と言われる宝篋印塔が埋もれていますが、土地勘のない人にこれは探しにくいでしょうから、横溝正史疎開先に進みます。


まずはJR伯備線清音駅に降ります。電車とホームの間にかなりな段差があります。昔のSL列車の昇降ステップに合わせたものでしょうか。30センチほど飛び降りますので、なんだかこの先の期待でわくわくするかもしれません。

清音駅
駅待合室の金田一耕助関係の案内板。多くの作品の舞台となった岡山県下と、真備町の案内です。位置関係と方向をよく頭に入れていた方が迷わずにすみます。

金田一耕助案内地図




金田一耕助シリーズの横溝正史が先の大戦中に疎開したのが、岡山県吉備郡真備町(現在は倉敷市真備町)岡田の小字桜の伴家です。偶然にも私はこの地に生まれ育ち、伴家の娘とは小学同級生でもありましたが、長じるまで横溝正史のことも名探偵金田一耕助のことも知りませんでした。現在倉敷市の観光名所案内にもなって、銘々が好きな作中人物の扮装をこらして年一回『金田一耕助祭り』というものが行われているようです。
快晴の五月の中日、所用で帰省したので、それら観光案内と重複しない形でふるさとの自転車巡りをしてみました。横溝正史は岡田の田園風景の中をうろうろとぶつぶつひとりごとを呟きながら徘徊していたそうです。(私の父の談)
倉敷の美観地区、総社・岡山の吉備路、などに来られたついでに吉備路の西の帯を、自転車に乗ってぶらり一人旅してみるのはいかがでしょう。自転車をこぐスピードは昔の馬の背に揺られて進むのと同じぐらい、車は早すぎて景色が素通り、徒歩もよほどの健脚でなければ廻れません。

金田一耕助像